本研究は、日本特有のコーポレートガバナンス組織が自信過剰な経営者の経営行動を規律付けるかどうかを検証する。自信過剰な経営者は自身の能力に自信があることから積極的な投資行動をするものの、内部資金が足りなくなると投資をやめて内部資金をためようとすることがわかっている(Malmendier and Tate, 2005)。本研究では金融危機による外部資金調達への制約とリスク回避的な選考を持つ銀行によるコーポレートガバナンスが、自信過剰な経営者の積極的な投資行動を抑えるかどうかを示す。また、自信過剰な経営者を経営者予想の情報から検証することによって、経営者予想情報による新たな経営分析の方法を示す。
|