2022年度は、計画していたテーマについて順調に各種の分析を進めた。 ①インフレ予想の推計について分析を進め、頑健な結果が得られたため、論文の執筆を行った。和文の論文の初稿が完成し、有識者にコメントを依頼した。その結果、貴重かつ論文の貢献を高めるコメントを頂戴し、論文のリバイスを行った。また、国際学会「The 16th International Symposium on Econometric Theory and Applications (SETA2022)」での報告も行った。同学会は韓国で行われ、当初は現地で参加する予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響が長引いていたため、出張は取りやめ、オンラインで参加、論文報告を行った。その報告時には、有益なコメントを数多く頂戴し、論文をさらにリバイスすることができた。②自然利子率の推計については、先行研究のサーベイと分析方法の導出について行ったほか、有識者と同テーマについて議論する場を設け、頑健な推計値を得るための議論を深めたことにより、推計の準備を整えることができた。③金融政策の効果の推計については、当初の計画とは若干手法が異なるが、2013年に導入された「量的・質的金融緩和」の効果の推計を論文にまとめていたものについて、頑健性の確認を追加的に行い、論文のリバイスを行った。また、同論文を海外のジャーナルに投稿し、数回の改訂の後、掲載が決定した。
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