本研究の学術的意義として、これまで十分な研究の蓄積がなかった、銀行から企業への資金供給が企業のサプライチェーン回復に与える影響を定量的に明らかにした点が挙げられる。またサプライチェーン回復の際に、企業は新規の取引相手を地理的に分散させるように選択する傾向にあること、またこの傾向は銀行からの資金供給が多いほど促進されることを定量的に明らかにした点も重要と考えられる。本研究の結果は、企業が予期せぬサプライチェーン断絶に直面した際の生産活動継続に銀行からの資金供給がどのように寄与するかを検討した点で社会的意義があると考えられる。
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