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2022 年度 実施状況報告書

多属性意思決定場面におけるソーティングとハイライトの効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K20170
研究機関東海大学

研究代表者

森井 真広  東海大学, 経営学部, 特任講師 (70963388)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
キーワード多属性意思決定 / 眼球運動 / 情報モニタリング法 / 意思決定方略 / 消費者行動
研究実績の概要

本研究の目的は、消費者の多属性意思決定プロセスにおける選択肢のソーティングとハイライトの効果を検討することにある。2022年度は選択肢の情報提示様式と意思決定プロセスに関する検討を行うため、眼球運動測定を用いた実験の実施を計画していたが、実験機材の動作不良と借用に関する問題のため、実験の実施が困難であったため、過去に取得したデータから、消費者個人の意思決定態度と情報提示様式が意思決定プロセスに与える影響について分析を行った。その結果、満足化因子得点と選択一致数の間には負の相関がみられた。満足化得点の高い被験者は、選択一致数が低い傾向がみられ、期待効用に縛られず、一貫した選択をしないことが示された。この傾向は、選択肢情報の提示様式によらず、図的表現、数値表現、文字表現かいずれの提示様式においてもみられた。一方、意思決定態度と意思決定時間、注視回数、視線の変移性等の選択一致数以外の行動データとの間に有意な関係はみられなかったことから、意思決定態度は選択の結果に影響を及ぼすものの、選択肢情報の探索過程には影響を与えないことが示された。これらの結果から、消費者個人の意思決定態度と、多属性意思決定場面において情報提示様式の2つの要因は、交互作用を持って意思決定に影響を及ぼすのではなく、それぞれ独立して意思決定に影響を与えることが示唆された。意思決定支援の観点からは、消費者の知覚特性に合わせた情報提示を行うことと同時に、意思決定プロセスから意思決定方略を同定するなど、個人特性を把握することが重要であると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

過去に取得したデータの分析は進められたが、実験機材の動作不良と借用の問題から、予定していた多肢多属性意思決定に関する実験を十分に実施することができなかった。そこで、研究費の延長申請を行い、2023年度に実施を計画している。

今後の研究の推進方策

2022年度は実験機材の動作不良が生じ、意思決定におけるソーティングとハイライトの効果に関する新たな実験データの取得ができなかったため、過去に取得した実験データの分析に重点を置いた。今後は、2022年度のデータ分析によって得られた意思決定態度に関する知見を踏まえて、ソーティングとハイライトの効果について、計画していた実験を行い、意思決定過程における眼球運動データから意思決定方略を同定と、ソーティングとハイライトとの関連について検討を行う。 これらの結果を踏まえ、消費者の意思決定を支援する提示様式のあり方について提案を行う。また、これまでの研究成果について、学会で発表・議論するとともに、論文の執筆を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由は、実験機材の動作不良と借用の問題から、予定していた多肢多属性意思決定に関する実験を十分に実施することができなかったためである。次年度に本年度予定していた実験を行うための実験・調査費、謝金、そして実験・調査結果の公表のための、学会参加費・旅費、研究打ち合わせの費用に充当する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 多属性意思決定過程における行動データと意思決定態度の関連2022

    • 著者名/発表者名
      森井真広・井出野尚・玉利祐樹・竹村和久・岡田光弘
    • 学会等名
      第65回消費者行動研究コンファレンス
  • [学会発表] 深層学習による意思決定方略の同定2022

    • 著者名/発表者名
      玉利祐樹・井出野尚・川杉桂太・村上始・森井真広・竹村和久・岡田光弘
    • 学会等名
      第65回消費者行動研究コンファレンス
  • [学会発表] 眼球運動測定を用いた多属性意思決定過程の検討2022

    • 著者名/発表者名
      井出野尚・玉利祐樹・森井真広・竹村和久・岡田光弘
    • 学会等名
      日本行動計量学会第50回大会

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公開日: 2023-12-25  

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