本研究の学術的貢献は以下の3点である。1点目はESG投資において投資家の行動がファンダメンタルズ以外の要因に左右されること、その背後に情報の非対称性がある可能性を示した点である。2点目は開示情報の可読性評価に新たな手法を導入し、開示情報の質が情報の非対称性にもたらす影響や情報の質とESGへの社会的な熱狂の関係を検証した点である。3点目は一部の企業のCSR活動の非効率性を数値化し、その背景にステークホルダーの圧力があることを示した点である。ESG投資は注目を集める一方でグリーンウォッシングを始めとする課題も指摘されている。その中で、ESG投資に伴う課題を検証した本研究は社会的意義があると考える。
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