本研究の目的は、放課後等デイサービスを利用していた常時ケアを要する重度障害者と暮らす母親のケア負担と就業の変容プロセスを明らかにすることである。母親10名にインタビュー調査を行い、分析した結果、母親は、子の卒業後に向けて限られたサービスをつなぎ、可能な限り仕事も調整するが、子のサービス利用に連動して仕事の再調整が必要となり、暮らしも仕事も余裕がなくなる。しかし、母親は働き方に諦めをもちつつも働き続けていくプロセスが示された。結論として、母親が希望する働き方を諦めることなく、また、重度障害者の暮らしを支える、卒業後の通所サービスの時間的拡充や通所サービスの終了後のサービスの構築を示唆した。
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