日本の学生運動は、1940年代後半から1970年前後まで非常に活発に展開したが、1970年代中盤以降縮小してきた。本研究は、学生運動の拡大と縮小が起きたメカニズムをこれまでの研究が十分に明らかにできていなかったことを踏まえ、国家、とりわけ大学立地施策が学生運動の盛衰に与えた影響の解明を目指すものである。研究期間中の成果は、1960年代における学生運動の中心地とも言える神田・御茶ノ水地区(東京都)について、20世紀後半における同地区への学生人口の集中・流出および学生街の形成・解体の実態把握を進めたもので、国家による学生運動への影響を明らかにする一つのステップとなった。
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