研究課題/領域番号 |
22K20224
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研究機関 | 東京家政学院大学 |
研究代表者 |
松山 直輝 東京家政学院大学, 現代生活学部, 助教 (50968039)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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キーワード | 遠隔 / 部活 / 地域移行 / スポーツ / 陸上競技 / コーチング / やり投げ / ICT・IoT |
研究実績の概要 |
【研究概要】本研究の目的は特別支援学校生の遠隔スポーツ・部活指導の方法論を実証事例研究から明らかにする事にある。実証に向けた方法論の検討は、現地指導とテレビ会議ツールによって行われる遠隔指導間の視野やコミュニケーションギャップに焦点を当て、それらギャップがテレビ会議ツールにICT・IoT機器を応用する事によって解消されうる事を実証する。 以上より、専門的なスポーツ指導者が居ない地域や特別支援学校においても、遠隔地の専門家による指導が受けられる可能性を拓く事を目指す。 【研究の重要性】現在、特別支援学校生のスポーツ指導においては人口が減少傾向の過疎市町村で専門的なコーチを探す事は困難であり、その課題に対してはICT機器を活用した遠隔スポーツ指導によって都市部のコーチと地方の選手を結びつける事による「地域差」の課題解決方法が提案されてきている。 一方、その研究例はほとんど無い状況にある。本研究の推進により、その成果から人口が減少傾向の過疎市町村においても不自由なく障害を持つ児童・生徒がスポーツに親しめる遠隔スポーツ指導の環境構築を推し進め、児童・生徒の生きがいや健康増進に繋げる将来を目指していく。 【1年目の業績】広島県立特別支援学校運動部で陸上競技やり投げに取り組む選手に対する遠隔スポーツ(部活)指導を東京都(東京家政学院大学)から実施した。遠隔指導では陸上競技やり投げ選手1名(知的障害を持つ高等部所属のパラアスリート)を2022年10月から2023年2月の間にコーチ(著者)が指導し、最終的に選手の技能向上から記録を10m更新する事に成功した。また指導の際、コーチは上記特別支援学校と「外部指導員」の立場で指導に関わった。この遠隔部活指導における「外部指導員」の事例は、特別支援学校だけでなく一般の中学校部活指導を含めても国内で初の事例となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究予定は大きく1年目・2年目の2段階に分かれる。 1年目の研究計画は1拠点の特別支援学校生を対象とした遠隔スポーツ(部活)指導の実施であり、この実施は完了している。2年目の研究計画は1拠点複数人数、あるいは2拠点を対象とした遠隔部活指導であり、これは今年度の研究課題となる。 以上の通り、計画通りに研究が進展している事から「おおむね順調に進展している。」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2年目の研究計画は1拠点複数人数、あるいは2拠点を対象とした遠隔スポーツ(部活)指導となる。これに対して、現在は企業と連携した②つの共同研究の実施を予定している。 ①:知的障害を持ち陸上競技やり投げを専門とするパラアスリート1名を対象とした1拠点遠隔スポーツ(部活)指導の研究。この研究は将来的な部活動地域移行を鑑み、放課後の時間に学校外で実施する予定にある。 ②:特別支援学校所属の複数人を対象とした遠隔スポーツ(部活)指導。現在、自治体・企業と連携した共同研究を計画し、広く生涯スポーツを生涯を持つ方々に提供できる場作りを目指した取り組みを実践していく予定にある。
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次年度使用額が生じた理由 |
・次年度使用額が発生した理由:主に、交通費や宿泊費の価格帯が時期により変化した事(旅費)や購入した消耗品の値段が値引きされていた事(物品費)が理由としてあげられる。 ・次年度の研究計画の実施に向け、以下の配分で経費の使用を計画している(物品購入: 400,000円、旅費: 631,844円、その他: 100,000円、間接経費譲渡額: 330,000円)。
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