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本研究は、「参考」「犠牲」の日中同形二字漢語における品詞性の相違に焦点を当て、次の4点を目的としている。①両言語間で品詞対応が異なるパターンの発見、②それに属する語彙の抽出、③アンケート調査による習得難易度の検証、④品詞対応しない同形二字漢語の難易度付き語彙表の作成である。 令和4年度には、①②のための準備作業として、データ量が足りない中国語の大規模コーパスを整備した。具体的には、中国語書籍を台湾から調達し、裁断作業を経て、スキャナーによるOCR作業を実施した。 令和5年度には、自作コーパス完成と基礎データ整備を経て、本格的な品詞対応パターンの整理の準備作業を完成した。具体的には、OCRで認識されたテキストに対する校正を完了し、中国語テキストに形態素解析を施し、①②のための資料整備を終えた。 令和6年度には、抽出した二字漢語を品詞別に分類した上で、前後の共起語や語彙素の頻度情報を用いてクラスター分析および使用率に基づくパターン分類を行い、「日中同形二字漢語 品詞距離語彙表(名詞・動詞)」を成果物として公開した。さらに、③のアンケート調査のデザインも終了しており、被験者の募集を終えている段階である。すでに協力者を確保しており、その実施結果が揃い次第、整理して④の結果をすぐに発表できる。 以上のように本研究は、品詞相違の体系的整理のみならず、誤用予測モデルの構築、統計手法の対照研究への応用、教育現場での実践利用といった多方面への貢献を果たし、日本語教育・中国語教育の両分野に理論的・実践的な意義を示した。また、従来、日本国内で行われる日中対照研究においては、日本語の形態素解析に比べ中国語解析の知識が乏しく、両言語の形態素解析データを同時に統計的手法を適用させた研究は極めて少なく、発展も限定的であった。本研究は、中国語形態素解析器の導入により、新たな視点をもたらすことが期待される。
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