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2022 年度 実施状況報告書

「発達障害」ラベルはスティグマを導くか:診断ラベルに基づく検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K20234
研究機関甲南大学

研究代表者

谷口 あや  甲南大学, 人間科学研究所, 博士研究員 (30963491)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
キーワード発達障害 / スティグマ / 診断名
研究実績の概要

本研究の大目的は,発達障害に分類される諸障害の個別の診断ラベル(自閉症スペクトラム:以下,ASD,注意欠如多動症:以下,ADHDを使用)と「発達障害」という包括的なラベルが発達障害児者のスティグマに及ぼす影響について実証的に検討するとともに,一般社会に向けた発達障害に関する教育方法を構築するための基礎的知見の提供を目指すことであった。2022年度は,スティグマを測定する尺度の信頼性および妥当性の検討と,ADHDおよびASDの診断ラベルと「発達障害」ラベルがスティグマに及ぼす影響の検討をオンライン調査によって行うことを予定していた。しかしながら,後者の調査に使用するためのヴィネット(短い場面を描写した文章)を使用した先行研究が国内には数少ないことから,既存のヴィネットや診断基準を基に新たなヴィネットを作成することに取り組んでいる。今後は,作成したヴィネットを用い,当初の予定通り診断ラベルとスティグマの影響を検討する予定である。
また,診断ラベルがスティグマに及ぼす影響を検討する上では,人々が診断ラベルに対して抱いている認識やステレオタイプを把握する必要がある。この点を踏まえ,当初の研究計画を拡大し,ソーシャルネットワーキングサービス上での発達障害に関する発信を収集し,ラベルに対する認識を探索的に検討している。
以上の結果や関連する研究成果については,日本心理学会第86回大会や日本発達心理学会第34回大会にてポスター発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の研究計画を拡大し,発達障害に分類される諸障害の状態像を描写したヴィネットの作成に新たに取り掛かったこと,ソーシャルネットワーキングサービス上の情報収集を行っていることから,当初予定していた計画の進行が遅れている。

今後の研究の推進方策

2023年度は,ヴィネットの信頼性と妥当性を検討するために,医療機関や支援施設等への調査を行う。完成したヴィネットを用い,オンライン調査によって診断ラベルとスティグマの関連について検討し国内外の雑誌への論文投稿を進める予定である。また,ソーシャルネットワーキングサービス上の発信についてもデータ収集および調査を継続する。

次年度使用額が生じた理由

研究計画を拡大したことに伴う遅れから,前年度に予定していた調査や論文投稿が全て次年度に持ち越されることとなったため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 社会一般における「発達障害」概念尺度の作成(2) 年代間の因子構造の比較2023

    • 著者名/発表者名
      谷口あや
    • 学会等名
      日本発達心理学会第34回大会
  • [学会発表] 社会一般における「発達障害」概念尺度の作成2022

    • 著者名/発表者名
      谷口 あや, 山根 隆宏
    • 学会等名
      日本心理学会第86回大会

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公開日: 2023-12-25  

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