研究課題/領域番号 |
22K20240
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
金崎 惣一 弘前大学, 大学院地域社会研究科, 客員研究員 (80968339)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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キーワード | サウンドスケープ / サウンド・エデュケーション / 音楽教育 / 地域の音環境 / 創作 |
研究実績の概要 |
本研究では、身の回りの音環境を基盤とする音楽教育プログラムを構想し実践することで、実践の参加者に対してどのような音楽的な変化を促すことができるか、について明らかにすることをを目的としている。2022年度後半は、「地域」や「身の回りの音環境」などをキーワードとする既存の教育実践の概観および自然音や環境音を基盤とした作品作りを行っている音楽家の作曲過程について調査することを計画していた。下記に記す理由により若干の研究の遅れがあり、今後一層早急に進める必要がある。 「地域」や「身の回りの音環境」などをキーワードとする既存の教育実践としてしばしば取り上げられるのは、アウトリーチによる活動である。一般にこの活動は、既存の音や音楽が活動の中心的な教材として扱われる。また「身の回りの音環境」を活用する実践については、多くが実践前後の比較から音についての注意について傾向を述べるにとどまっている。上記までの調査で明らかになったのは、周囲の音環境を基盤とする活動による活動者の音楽的な変化の推移を明らかにする試みというのはほとんど行われてこなかったという点である。 サウンドスケープ思想から派生したサウンドスケープ・コンポジションや、フィールド・レコーディングによる作品づくりを行う音楽家は、音響と場の関係性や文脈を踏まえて制作を行う。この点から、地域の音の象徴や特徴を発見するといったような活動の提案も可能となる、という示唆を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データ化されていない資料が多分にあることから、国立国会図書館での集中的な文献探索を行う予定を研究計画の中に組み入れていたものの、新型コロナウイルス感染症が継続的に流行していたことを鑑み、オンラインベースでの資料探索となったことに起因する。
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今後の研究の推進方策 |
2023年5月に新型コロナウイルス感染症の分類が5類へと移行することを鑑み、資料調査ならびに実地調査双方ともに行いやすくなる。 また2023年度より申請者の研究所属機関が変わるため、それに伴う研究計画の変更が多分にありうる。異動先の実態と本研究課題の内容を照らし合わせて、市民を対象とするワークショップの構想を予定しており、実施のための理論構築を早急に進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
主として旅費にかかわる支出が新型コロナウイルス感染症の影響によりゼロとなったためである。 次年度分の助成金の計画として、研究所属機関の変更があるため、該当環境および当研究に必要となる物品ならびに文献資料に多くを当てることとなる。また旅費申請分については予定通り施行するよう計画している。
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