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2023 年度 実績報告書

公民教育における法的思考と交渉技能を育成する法教育カリキュラムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 22K20242
研究機関埼玉大学

研究代表者

小貫 篤  埼玉大学, 教育学部, 准教授 (60965375)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
キーワード法教育 / 交渉教育 / 交渉技能 / 法的思考 / 法構想 / 公民教育
研究実績の概要

本研究の目的は、法的思考と交渉技能の両者を合わせて育成する教育について、教育目標・教育内容・教育方法の各方面から体系的に検討し、系統立った法教育の教育課程を構築して検証することである。2年目にあたる今年度は、以下の2点に関して研究を進めた。
第1に、1年目で実施した生徒の実態調査に基づいて、交渉技能学習の授業開発・分析を行った。その結果、次の6点が明らかとなった。第1に、認知バイアスを学んでから交渉をした方が合意しやすいこと。第2に、争点を組み合わせることが難しいこと。第3に、認知バイアスを教えてから交渉させると、立場を入れ替えても交渉結果を受け入れられること。第4に、交渉を考える際に、似た事例を探して客観的規準として交渉をさせること。第5に、交渉の進め方を話し合った生徒は、納得感が得られやすいこと。第6に、認知バイアスがあることを意識して交渉に臨むことで、話し合えた納得感が得られること。以上の6点である。
第2に、法的思考学習、交渉技能学習、法構想学習を系統的に結び付けて分析し、教育目標・教育内容・教育方法を明らかにした。「目標」については、本研究は「規範の創出で秩序を生み出す」、「規範の適用で秩序を安定させる」、「規範の変革により秩序を再構築する」ことを目指して組織されるべきであること。「内容」については、交渉技能学習では「交渉の7技能」や「認知バイアス」、法的思考学習では「要件・効果」や「利益考量」等、法構想学習では「目的・手段」等の内容が学習されるべきこと。「方法」については、交渉技能学習では「模擬交渉」によって交渉による合意がはかられ、法的思考学習では「当事者や第三者として判断」することによって法的な考え方で思考・判断する方法がとられ、法構想学習では「法制度を構想・評価・提案」する方法がとられるべきこと、の3点を明らかにした。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 4件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 公民科における紛争解決教育-法構想学習を事例に-2023

    • 著者名/発表者名
      小貫篤
    • 雑誌名

      法と教育

      巻: 13 ページ: 29-40

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 学校における法教育の意義と方法 ―刑事法の学習に着目して-2023

    • 著者名/発表者名
      小貫篤
    • 雑誌名

      法務省令和5年度教員向け法教育セミナー 実施報告書

      巻: 1 ページ: 5-10

  • [雑誌論文] 法教育-定義から開発・実証研究へ2023

    • 著者名/発表者名
      小貫篤
    • 雑誌名

      社会科教育

      巻: 774 ページ: 86-87

  • [学会発表] 法的思考と交渉スキル育成の法教育2024

    • 著者名/発表者名
      小貫篤
    • 学会等名
      東京都行政書士会 法教育シンポジウム 基調講演
    • 招待講演
  • [学会発表] 地理教育から学ぶ公民教育2023

    • 著者名/発表者名
      小貫篤
    • 学会等名
      中等社会科教育学会第42回全国研究大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 高等学校歴史系科目における紛争解決学習の構築2023

    • 著者名/発表者名
      小貫篤、阿部真隆、傳田佳史、渡邊優輔
    • 学会等名
      中等社会科教育学会第42回全国研究大会
  • [学会発表] 紛争解決能力を育成する交渉教育-手続に着目して-2023

    • 著者名/発表者名
      小貫篤
    • 学会等名
      法と教育学会第14回学術大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 身近な事例から法と社会を考えよう2023

    • 著者名/発表者名
      加納隆徳、小貫篤
    • 学会等名
      法と教育学会第14回学術大会
  • [学会発表] 学校における法教育の意義と方法-刑事法の学習に着目して-2023

    • 著者名/発表者名
      小貫篤
    • 学会等名
      法務省教員向け法教育セミナー 基調講演
    • 招待講演
  • [図書] 中高生からの法と学校・社会2023

    • 著者名/発表者名
      小貫篤、加納隆徳、江口勇治、齋藤宙治
    • 総ページ数
      120
    • 出版者
      清水書院
  • [図書] 社会科の「問題解決的な学習」とは何か2023

    • 著者名/発表者名
      唐木清志、宮﨑沙織、山田秀和、真島聖子、溜池善裕、峯明秀、福田喜彦、阪上弘彬、外池智、井上昌善、Hyunjin Kim、須賀忠芳、小貫篤
    • 総ページ数
      168
    • 出版者
      東洋館出版社

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公開日: 2024-12-25  

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