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2023 年度 実施状況報告書

オランダの保育・就学前教育における可視化/非可視化の質保障に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K20249
研究機関長崎大学

研究代表者

福田 紗耶香  長崎大学, 多文化社会学部, 助教 (50963253)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2025-03-31
キーワード保育の質 / 保育 / 就学前教育 / 質保障
研究実績の概要

本研究は、社会的に不利な子どもたちの教育格差是正を目的とする就学前教育プログラムが保育全体の質をどのように高めているのか明らかにするものである。
本研究は社会的に不利な子どもたちに質の高い保育を届けることに成功しているオランダに着目し、「教育格差是正のためのプログラムの有無によって、保育の質評価結果への保育者の反応や、保育者の保育観が異なる」という仮説を検証する。具体的には、オランダの保育施設での観察及びインタビューデータを基に、(1)標準化された評価指標による保育の質可視化の実態と課題の分析、(2)教育格差是正のためのプログラムの有無によって、保育の質評価結果への保育者の反応や、保育者の保育観が異なるという仮説の検証を行う。
2023年度は、主に、これまでに行ってきたオランダにおける保育の質評価データの二次分析結果を論文にまとめる作業を進めた。
また、「保育の質」という見方そのものに対する国際的議論の動向を踏まえるべく、先行研究の収集と整理を行った。これに加え、オランダにおいて「保育の質」評価がどのように活用されているかを明らかにすべく、補償的な就学前教育プログラムの効果研究の報告書の収集と分析を行った。「保育の質」の指標は標準化されたものと見なされているが、分析を行った報告書の方法論においては、言語習得や学習面での質の高さが重視され、それに合わせた測定方法を取捨選択し組み合わせながら、オランダの文脈で必要とされる「保育の質」の全体像を捉えようとしていることが見えてきた。
現在は、保育の質の観察評価方法の米蘭比較分析と、オランダでの保育実践観察および保育者へのインタビュー調査の準備を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初想定していたよりも踏まえるべき先行研究が多く存在することが分かり、その収集と整理に時間がかかっている。

今後の研究の推進方策

本年度中に一定の成果を挙げるため、オランダでの保育実践観察と保育者へのインタビュー調査を実施する。実施が遅れている保育の質の観察評価方法の米蘭比較に関しては、国内滞在期間にオンラインで米国の研修に参加するなどして米国版の資料を収集することができるため、これに加えてオランダ滞在中にオランダ版の資料を収集することで今年度中に比較分析を遂行することが可能である。また、執筆を進めてきた論文を国際誌へ投稿する。

次年度使用額が生じた理由

当初予定していたよりも踏まえるべき先行研究が多くあり、その収集と整理に時間を要したことと、学位請求論文の執筆に時間を要したため、令和5年度に予定していたオランダの保育者がもつ保育観に関するインタビュー調査と、保育の質保障を下支えする条件の類型化のための保育実践の観察を実施できなかった。このため、未使用額は、主としてオランダへの旅費や、調査記録整理のための人件費、保育の質評価方法に関する資料収集に充てる予定である。また、質的分析のために必要なPCやインタビューデータ分析のためのソフトウェアも購入を予定している。
オランダへは9月頃に渡航し、保育施設での観察及びインタビューを行う。これを基に、(1)標準化された評価指標による保育の質可視化の実態と課題の分析、(2)教育格差是正のためのプログラムの有無によって、保育の質評価結果への保育者の反応や、保育者の保育観が異なるという仮説の検証を行う。

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公開日: 2024-12-25  

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