研究課題/領域番号 |
22K20253
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
梅宮 直樹 上智大学, グローバル教育センター, 教授 (80963652)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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キーワード | 高等教育 / 大学間ネットワーク / 東南アジア / 大学間連携 |
研究実績の概要 |
前年度に実施したカンボジアにおける調査で得られたデータを分析し、その結果について国内学会(日本高等教育学会)および2つの国際学会(アジア比較教育学会およびNCCU International Conference on Southeast Asian Socio-Cultural Studies)で報告を行った。アジア地域の高等教育セクターは、これまで世界の高等教育システムのなかで「周辺」に位置づけられてきたが、近年質量ともに目覚ましい発展を遂げている。また、大学間の国際的な競争が激化する一方で、国境を越えた大学間での連携・協力が進んでいる。今年度の研究を通じ、カンボジア政府の自国の大学院教育の拡充に関する政策、王立プノンペン大学やカンボジア工科大学などのカンボジアの主要な5大学における大学院教育の現状と課題、ならびに、大学院教育の拡充の過程における国際的な大学間の連携・協力の活用状況について分析を行った。その結果、カンボジアにおいても、現時点ではまだ小規模ではあるが、大学教員の育成と産業界や社会の要請に応えるために大学院レベルの教育と研究の拡充が進んでいること、また、その際、アセアン工学系高等教育ネットワークを始めとする東南アジアの地域的な枠組みや大学間ネットワークの下での国際的な大学間の連携・協力が重要な役割を果たしていること、一方で、さらに大学院教育を拡充していくにあたっては限られた資源やインフラ、授業料収入への依存などの課題を解決していく必要があることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に基づいて、前年度に実施したカンボジアにおける調査で得られたデータを分析し、その結果について国内学会(日本高等教育学会)と2つの国際学会(アジア比較教育学会およびNCCU International Conference on Southeast Asian Socio-Cultural Studies)で報告を行うとともに、インドネシアにおける調査を実施した。アジアの代表的な大学間ネットワークの1つであるアセアン工学系高等教育ネットワーク(AUN/SEED-Net)に関して、ネットワーク構築のプロセスと成果、関係大学の教育・研究水準の向上にどのようなインパクトを生み出しているかを検証しまとめた書籍(共著)も既に発刊しており、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに実施したタイ、カンボジア及びインドネシアにおける調査で得られたデータの分析を行い、アジアの高等教育の現状と課題や大学間連携・協力がどのように機能し関係大学の教育・研究水準の向上にどのようなインパクトを生み出しているかの検証をさらに進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
先行研究の追加の確認と関連学会への参加を次年度に行うことにしたため次年度使用額が発生した。関連文献の購入と学会への参加にかかる費用の支払いのために使用する。
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