本研究の目的は、多文化教育の教材開発を行い、開発教材を実践にかけ、その教材開発の有効性を検証し、その検証を踏まえ、開発した教材を再構築することである。本年度は、昨年度の研究成果も踏まえ、①教材開発及び②教材実践を中心に行った。 ①において、中学校・高等学校の総合的な学習(探究)の時間や社会科及び地理歴史科、公民科において活用可能な多文化教育教材の開発を行った。なお、参加型学習を用いた『多文化教育・国際理解教育教材ヒントブック』をはじめとしたアナログ教材及びアニメーション(デジタル教材)を開発した。 ②において、公益財団法人 浜松国際交流協会主催、はままつ国際理解教育ネット・JICA中部共催の「国際理解教育ファシリテーター養成講座2023(入門編)」や特定非営利活動法人 八王子国際協会主催の「国際理解教育講座」、浜松市中学校社会科研究部研修会の教員研修、JICA中部主催の「開発教育指導者向け 多文化共生研修」、静岡県内を中心とした県立高等学校における総合的な探究の時間における講座など、教員や社会人、中学生、高校生を対象に教材実践を行った。 また、研究期間全体を通じ、単に多様性や差異性を尊重するだけでなく、マジョリティが労なくして得た特権性について気づき、社会正義の実現をめざした、マジョリティである日本人生徒(中学生・高校生)の意識の変容を促す多文化教育教材を開発し、教材実践を重ねることが出来た。
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