研究課題/領域番号 |
22K20272
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
高井 太郎 宇都宮大学, 共同教育学部, 助教 (70962752)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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キーワード | 作文ワークショップ / 形式と内容 / 学習意欲 / ICT / タイピング記録システム |
研究実績の概要 |
本年度は、大きく分けて、3つの作業を行った。 1つ目は、分析方法の検討である。本研究では、これまでの作文授業研究ではほとんど扱われてこなかった授業時間外の書く過程をも分析の対象としている。そのデータを得るために、Googleドキュメントのタイピングが記録されるシステム(以下、タイピング記録システムと呼ぶ)を採用した。それにより得られたデータを分析し、その方法の検討を行い有効性を提案した。この成果について「全国大学国語教育学会(第143回千葉大会)」で発表し、専門家からの意見を聴取することができた。具体的には、タイピング記録システムを活用することで、学習者の執筆回数・執筆時間・執筆文字数をも把握でき、それを質的および量的に分析すると学習者の書く過程を捉えることができるという提案である。 2つ目は、作文授業における形式と内容の往還を学習意欲との関連で検討したことである。令和3年度に実施した2つの作文単元(作文ワークショップと作文ワークショップ以外)のアンケートを分析した。その結果、作文ワークショップにおいては、形式と内容を往還することが学習意欲を喚起することにつながるということがわかった。 3つ目は、令和3年度の2月に中学3年生に実施した作文ワークショップの授業を分析したことである。タイピング記録システムにより得た書く過程のデータと授業後インタビューとを分析し、形式と内容の往還がどのように行われていたのかを把握した。また、それを生じさせた要因は何であったのかの検討も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の計画であった分析の方法の検討という作業はおおむね順調に進んだ。しかし「作文ワークショップの中でどのような形式と内容の往還が行われたのか」と「作文ワークショップにおいて形式と内容を往還させた要因は何であったのか」という2点については、十分に検討することができなかった。これはタイピング記録システムにより得たデータをどのように分析するのかを検討していくうちに、最新の作文理論や心理学・社会学の知見にも目配りをする必要が生じ、慎重にならざるをえなかったためである。次年度は、「形式と内容を往還させる効果的な作文ワークショップの指導とはどのようなものか」の提案を目指して、更なる分析を行っていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
次年度はこれまでの研究をまとめ成果の報告を行っていく。大きく分けて4つのことを行う予定である。1つ目は、本年度、全国大学国語教育学会で発表した、タイピング記録システムを活用した作文授業研究の論文執筆を行い、査読付き学会誌に投稿し成果を公開することである。2つ目は、本年度行った作文授業における形式と内容の往還を学習意欲との関連での分析の成果を発表していくことである。3つ目は、「作文ワークショップの中でどのような形式と内容の往還が行われたのか」と「作文ワークショップにおいて形式と内容を往還させた要因は何であったのか」という2点の分析を行うことである。そして4つ目として、1~3までの成果を整理し、「形式と内容を往還させる効果的な作文ワークショップの指導とはどのようなものか」の提案を行うことである。
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