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2022 年度 実施状況報告書

大学院の学際的教育プログラムの質保証―人文・社会科学系の学生の観点から―

研究課題

研究課題/領域番号 22K20276
研究機関名古屋大学

研究代表者

竹永 啓悟  名古屋大学, 教育基盤連携本部, 特任助教 (30966213)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
キーワード学際教育 / 大学院教育プログラム / 文理融合型教育 / 学位プログラム / 人文・社会科学系 / 学際的学習成果
研究実績の概要

本研究の問いは、大学院における学際的教育プログラムの人文・社会科学系学生にとっての教育的意義は何かというものである。また本研究の学術的重要性は、人文・社会科学分野の学生の観点から大学院における学際的教育プログラムの内実と機能に迫るものであり、その教育的意義を実証的に解明することである。そのため本研究では、とりわけ学際的教育プログラムを通して彼らが異分野との接触を通じて獲得可能な成果、及び学びの実態・プロセスや制度的課題を明らかにし、学際的教育プログラムの質保証のための基盤構築を目指すことを目指すものである。
手続きとして、学際的教育、人文、社会科学系の学びに対しての教員・学生の認識に係る調査研究のうち、2022年度は主に調査設計、調査対象者へのアポイントメント、調査の実施、日本の大学における文理融合(型)教育に関する政策や理論的研究に着手した。教員への調査には、例えば予備調査として主に学科長レベルの大学教員にヒアリングを行った。学生おいては、学際的な学位プログラムの経験者にインタビューを実施した。また、本研究代表者の所属大学が関与する大学教育に関するフォーラムにおいて、登壇者として学生を招聘し、大学院の学際的教育プログラムの経験を通した学びの成果や課題について共有してもらい、会場全体で双方向的な議論を展開することで論点が抽出された。本結果は調査設計の調整や分析に援用することとしたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度の当初計画は次のとおりであった。
「理論研究を22年度上半期に完成させ、年内の雑誌・紀要に投稿すること、また23年度には学会報告、論文執筆・投稿を行うほか、申請者の所属大学で学際的教育のセミナーや公開研究会を講演者(教員または学生)に依頼して開催し、成果を公表予定である。なお、所属大学の複数の専任教職員から常に助言を受け、学内の豊富な研究リソースを活用する。」
理論研究について、2022年度内の雑誌・紀要投稿は叶わなかった。しかし、「日本学術会議の文理融合論をめぐる試論-委員会資料における記述から-」という題目で論文執筆中である。まず日本のこれまでの文理融合をめぐる学問論の流れを追うとともに、現在多くの政策で取り沙汰される「総合知」概念との関係を踏まえて議論をしている。本論文を含め、23年度は積極的な論文投稿を目指す。さらに、調査研究は進みつつあるが、コロナの状況もあり、当初計画通りの人数へ必ずしもアプローチできていない。研究課題の範疇で一部対象者や人数の再検討を行い、適宜修正しつつ調査を継続する予定である。なお、次年度開催を計画していた「セミナーの実施」であるが、研究リソースの観点からも先んじてフォーラムでの分科会開催を企画し、前倒して本年度に実施を行った。

今後の研究の推進方策

前年度はコロナウイルスの感染状況等もあり、必ずしも計画通りにいかなかった点が挙げられた。
本年度は引き続き、大学院における学際的教育プログラムの人文・社会科学系学生にとっての教育的意義」に着目しながら、①理論研究および論文投稿または学会報告、②質的調査の実施、③学際教育に関するセミナーまたはフォーラムの開催を行っていく。また、教員に対する予備調査や2023年3月に行ったフォーラムにおける学際教育の分科会での議論より、学士課程教育の学際教育の状況に着眼する必要性も示唆された。2023年度は、大学院の教育プログラムへの調査研究を継続しながらも、これまで得られた知見を活用しながら学士課程教育における学際教育も射程に入れ、研究を継続したい。

次年度使用額が生じた理由

コロナウイルスの状況により、当初予定していた資料調査や聞き取り調査が困難となり、旅費申請ができなかった点、物品購入についてタイミングと入荷状況より年度購入が難しくなった点などが挙げられる。2023年度からはコロナウイルス感染症が第5類に移行したことにより移動制限等がなくなり、対面でのインタビュー調査や資料調査実施が容易になったと考えられる。今年度は着実に調査研究を進めていきたい。物品購入については、早い段階で可能な限り必要物品を予約購入し、計画的な研究遂行に努めたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 図書 (1件)

  • [図書] STEM高等教育とグローバル・コンピテンス2022

    • 著者名/発表者名
      山田 礼子
    • 総ページ数
      320
    • 出版者
      東信堂
    • ISBN
      9784798917719

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公開日: 2023-12-25  

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