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2023 年度 実績報告書

グローバル人材育成における教員の認識に着目して

研究課題

研究課題/領域番号 22K20280
研究機関東京大学

研究代表者

岩渕 和祥  東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 助教 (90967001)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
キーワード総合型選抜 / 学びの保障 / 政策実施
研究実績の概要

本研究では、グローバル人材育成のうち、特に国際バカロレア(IB)に着目し、教員がどのような認識を有するのかを明らかにすることを目的としていた。最終年度では、学校への訪問・教員インタビューという質的調査を実施し、また、教員の認識に影響を与える保護者の意識調査を行った。保護者のうち、5%程度が国際バカロレアによるグローバル人材育成を希望しており、かつ、それにより留学や海外大学への進学、海外での就労などを期待していることが明らかとなった。他方で、教員は総合型選抜を利用した大学進学を支援しつつも、IBを学びの保障のツールとしても使っていることが明らかとなった。これは1年目の文献調査では示せなかった点である。
グローバル人材育成については、その政策的背景や他国との比較というマクロな視点からの研究が多かった。そこではエリート教育への志向性が認められるが、そうした政策的意図が現場でどのように実現されているのか、あるいは、妥協されているのかを明らかにする必要があったが、本研究はその一端を明らかにすることができた。借用された教育政策が現場で変容することは繰り返し指摘されてきたが、どのように変容するかという点は研究の蓄積が不十分であり、本研究はそれを補うものといえよう。言い換えると、グローバル教育の実際を明らかにする教育社会学的な示唆、ならびに、移転された教育政策がどのように実施されるかを明らかにする比較教育政策研究への示唆、という2点を意義として挙げられる。
このようなメカニズムを明らかにすることは、現在進められているSTEAM人材やDX人材、という別の人材政策の分析にも寄与するものである。また、政策と実践をつなぐ自治体というメゾレベルを分析する上で重要な諸要因を明らかにすることができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] Is Nationalistic Internationalisation Possible?: Japan’s Education Reform and Interactions among the Cabinet, Ministry of Education, and Teachers2024

    • 著者名/発表者名
      Iwabuchi, K.
    • 学会等名
      The Centre for the Study of Global Japan and the Initiative for Education Policy and Innovation, University of Toronto
    • 招待講演
  • [学会発表] Conflicting Orientations in Japan's International Education: An Analysis of Teachers' Perceptions2023

    • 著者名/発表者名
      Iwabuchi, K.
    • 学会等名
      13th Biennial Conference of the Comparative Education Society of Asia
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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