学術的意義として2点挙げられる。まず、教育社会学的な研究ではマクロな制度的環境とミクロな学校という文脈の相互作用で教育実践が成立すると考えられているが、本研究ではグローバル人材育成について、その様相を明らかにすることができた。また、教育政策研究においては、政策が移転される場合、その意味内容が変容することが指摘されてきたが、その変容の実施過程についての研究は不十分であり、本研究はそれを補うものであった。社会的な意義としては、グローバル人材育成政策の効果的な実施のため、異なるレベルのアクターにおいてどのような認識の違いがあるかを示し、それにより両者の協働の可能性を指摘した点が挙げられる。
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