本研究では,中学生を対象に,学級でみられる日々の振る舞いとしての行動特性である攻撃行動と向社会的行動を用いて,学級内地位の異なる側面である認識的な人気とソシオメトリック人気を捉えること,それぞれの人気がいじめや学級風土とどのような関連を持つかをを短期縦断的に検討することを目的とした。その結果,攻撃行動と向社会的行動の組み合わせによって認識的な人気とソシオメトリック人気を捉えられる可能性,認識された人気を持つ生徒たちが学級内におけるいじめの実態を最も把握している可能性が示唆されたほか,学級でみられる向社会的行動がその後のポジティブな学級風土に影響する可能性が示唆された。
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