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2022 年度 実施状況報告書

幼児に対するクラス単位の認知行動療法の有効性

研究課題

研究課題/領域番号 22K20307
研究機関同志社大学

研究代表者

松原 耕平  同志社大学, 研究開発推進機構, 助教 (30962055)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
キーワード幼児 / 保育者 / 学齢期前介入 / 認知行動療法
研究実績の概要

本研究は,幼稚園および保育園で実装可能な幼児のためのクラス単位の予防プログラムを構築し,幼稚園教諭や保育士が実施しやすい遊びを取り入れたプログラムを提案することを目的としている。
2022年度は,複数の学術論文検索エンジンによって,系統的レビューをすることで,学齢期前の認知行動療法プログラムの動向を明らかにすることであった。現在,検索エンジンによる論文検索では収集した論文を確定する段階であり,効果サイズを算出するためのデータを整理しながら進めている。また,ハンドサーチによる論文検索では,幼稚園介入は,海外において保護者対象介入や保育士を対象とした環境調整介入が主であった。すなわち,子ども自身を対象とした個別介入の成果が多く,幼児自身を対象とするクラス介入の取組みほとんど見受けられない。また,幼児介入をキーワードとする広い検索では,健康や衛生に関する介入が多く,メンタルヘルスにおいては外在化症状に対する介入がいくつか実践されていたが,内在化症状に関しては理論を確立する研究にとどまっていた。
また,2022年度では来年度の介入研究に向けて,プレトライアルを実施した。プレトライアルでは,2園の幼稚園を対象に本研究で用いる1~4セッションを実践した。1園では,本研究1セッション+社会的スキル訓練3セッション,もう1園では本研究の4セッションを行った。社会的スキル訓練と組み合わせたトライアルでは対象園の職員や担任教諭がプログラムを担当し,後者の園では,大学生が担当し,対象となった園の職員がサブトレーナーとして参加した。本研究では,幼稚園教諭や保育士が実施できることを目指しており,十分に実践可能であることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は,大きく2本の柱で研究が実施される。1つ目は,系統的レビューによる既存の幼児対象介入の有効性や種類の明らかにする研究である。このレビュー研究では,2022年度に概ね終了しており,平均値や標準偏差といったデータを介入別に整理しているところである。
2つ目は,幼稚園・保育園における幼児を対象としたクラス単位のメンタルヘルス予防プログラムを開発して,有効性を検討することである。こちらは,2022年度に本研究のベースとなるプログラムのプレトライアルを実施し,実践者に使用感や内容について聴取を行った。また,社会的スキルなど簡単な保育者による測定も行い,部分的なセッションによる有効性も確認した。2023年度には,対照比較研究を行う予定であり,幼稚園2園と保育所1箇所でプログラムを実施することになっている。

今後の研究の推進方策

レビュー研究では,介入別の研究数や幼児自身を対象とした介入とその他介入の効果サイズの比較を今後進める予定である。
プログラムの効果研究では,プログラムの実践先は引き続き募集しながら,今後は測定のみの対照群となる幼稚園や保育所等を募集する。

次年度使用額が生じた理由

物品費や旅費は一部支給やコロナ対応のための延期やZoom会議による対応等に変更され,使用機会が抑えられたため。人件費等は,研究の進捗状況上,データ入力等の作業が今後発生するため。

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公開日: 2023-12-25  

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