本研究は、汎用で安価かつ無毒な元素から構成されたCu2Sn1-xGexS3(CTGS)における成膜方法の最適化や薄膜における諸特性の調査及び太陽電池の作製に取り組み、伝導帯エネルギー傾斜構造における次世代高効率太陽電池の実現及びその指針の構築を目指した。得られたCTGS薄膜に対して低温フォトルミネッセンス測定や室温ホール効果測定を実施し、[Ge]/([Ge]+[Sn])(IV族比)を0.0-0.2の範囲で変化させても浅いアクセプタ準位や移動度を維持できることが分かった。以上より、伝導帯エネルギー傾斜構造の硫化物系太陽電池に求められる欠陥特性や電気特性などの有用な知見を得ることができた。
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