研究課題
今年度は所属する九州大学のPLATOトカマク実験グループの都合により主に中心ソレノイドを用いた誘導立ち上げによるトカマクの生成実験に取り組んだ。プラズマ電流20kAのトカマクプラズマの生成に成功したが、本課題が対象とする局所ヘリシティ入射実験を行うことはできなかった。誘導立ち上げを行うためにパワーエレクトロニクスを勉強し、自作コンデンサバンクを開発した。また立ち上げシナリオの最適化のためトカマクの磁場・電場計算コードも開発した。これらの経験やツールは次年度以降計画されている局所ヘリシティ入射によるトカマクプラズマの生成実験に活かすことができると期待される。局所ヘリシティ入射に用いるプラズマ銃は昨年度問題となった絶縁性能を改良したものを既に真空用容器内に設置済みである。加え共同研究を行っているソウル大学で開発されたプラズマ銃をPLATO装置に設置する準備も進めている。一方、局所ヘリシティ入射実験の際に利用するトモグラフィ計測システムに関してはガウス過程を用いた反転アルゴリズムの開発を行った。この手法を応用することでLHDのプラズマにおいて積分計測量である干渉計の信号のみから電子密度の径方向プロファイルとその微分量を推定することに成功し、その成果を専門誌および学会において発表した。トモグラフィ計測システムはまだ完成に至っていないが部品は揃い、次年度初頭にPLATO装置に設置する計画である。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Plasma Physics and Controlled Fusion
巻: 65 ページ: 125006~125006
10.1088/1361-6587/ad074a
https://www-lhd.nifs.ac.jp/pub/Science/Paper_PPCF65-125006.html