本研究では、多段階の電気分極反転に起因すると考えられる多段階の電気抵抗スイッチングを見出した。多段階の電気抵抗スイッチングは、ReRAMに応用すれば0,1の2値でなく多値の記憶メモリとなるため、同じ体積により多くの情報を記録することができる。メカニズムが電気分極反転と考えられることも興味深い。本物質は電子強誘電体であり、その電気分極反転はイオン変位を伴わず電子移動のみによって実現する。これらの特性をあわせて考えると、本研究で発見したYbFe2O4の多段階抵抗スイッチングは、高速・低消費エネルギー・長寿命の多値ReRAMへの応用が期待できる革新的なものである。
|