原子核乾板を用いた宇宙ガンマ線観測気球実験GRAINEにおいて、sub-GeV/GeV帯で実現していない偏光観測を達成するための乾板読み取り装置を開発した。既存の読み取り装置と比べて、一桁近く優れた70--200nmの位置測定精度での飛跡読み取りが実現した。さらに、実際に2018年に行った気球実験のガンマ線データを用いて、既存データよりも3倍近い角度分解能の向上を実証することができた。この新たな装置の解析速度向上も進めながら、2023年春には検出器面積を6.6倍大型化した実験を実施し、開発した装置を適用することでさらなる解像度向上や偏光観測の第一歩を踏み出すことが期待される。
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