物理探査等で推定される地下の比抵抗から水の量を推定するには、含水岩石の比抵抗と空隙率・含水率の関係式が必要であり、その式の中で仮定される空隙構造が実際の岩石内部の空隙構造を再現できているかはこれまで不明であった。これに対し本研究は、実験では直接観測できない微細空隙構造中を流れる電流を可視化し、そこから岩石比抵抗を支配する空隙構造・物理を明らかにできる可能性を示した。本研究が発展し、岩石の比抵抗、空隙率、含水率の関係の最適化が進めば、地中の水の量の推定の精緻化も期待され、地中の水と地球物理学的現象(火山・地震活動など)の理解の深化へとつながる可能性がある。
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