研究課題/領域番号 |
22K20384
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福田 航平 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教 (80963462)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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キーワード | 隕石 / コンドルール / アングライト / 短寿命放射性核種 / 二次イオン質量分析 |
研究実績の概要 |
2023年度は、原始太陽系円盤進化後期段階に形成したことが明らかとなっている2種類の物質(コンドルールおよびアングライト隕石)に対し、昨年度改良を行った高空間分解能ベリリウム-ホウ素同位体分析手法の適用を行った。まず、2種類の炭素質コンドライト隕石(Yamato 82094およびDOM 08006)から分析対象鉱物である斜長石を含むコンドルールを4つ(Yamato 82094から3つ、DOM08006から1つ)選定し、分析を行った。加えて、先行研究により絶対年代が明らかとなっているアングライト隕石の一種であるSahara99555の分析を行った。その結果、4つのコンドルールおよびSahara99555隕石形成時の初生10Be/9Be比は、原始太陽系円盤進化初期段階に形成した物質(Ca-Al-rich Inclusion)よりも系統的に低いことが明らかとなった。得られた初生10Be/9Be比から原始太陽系円盤進化後期段階の太陽活動度を推定するため、先行研究の理論モデルを用いてコンドルール形成当時の太陽由来X線輝度の推定を試みた。得られたX線輝度と太陽質量星のX線輝度の観測結果を比較した結果、コンドルール形成当時の原始太陽活動度は他の太陽質量星と比較してより活発であった可能性を見出した。しかしながら、初生10Be/9Be比の誤差が大きいため原始太陽の活発な活動を結論づけるには至っていない。より高精度な初生10Be/9Be比の決定を目指し、追加での分析試料(コンドルールおよびアングライト)の選定および新たな標準試料の準備に着手している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた原始太陽系円盤進化後期段階に形成した地球外物質の分析を実施し、得られた結果から原始太陽活動度を推定することができた。しかしながら、分析に使用した標準試料の化学組成が十分に均一でないことが判明したため、得られた結果の不確定性が想定よりも大きい結果となった。そのため、期待された精度の結果を得るには至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
均一性の高い標準試料の作成を実施し、かつ分析対象試料数を増やすことで、今年度得られた結果のクロスチェックならびに精度向上を試みる。標準試料の作成が完了し次第追実験を行い、2023年度までに得られた結果と合わせて、国際雑誌への投稿論文準備に移行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
標準試料の不均一性の問題から、得られたデータの誤差が想定よりも大きくなり、さらなる追実験が必要となったためである。来年度は均一性の高い標準試料作成のための消耗品・出張費に加え、追実験のための分析費・出張費としての使用を予定している。
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