研究課題
本年度では,引き続き最適動的量子化器やサンプル値制御器を検討し,様々な条件下で検証を行うことで制御性能をより詳細に考察した.そして,制御系の改良やチューニング等を試みた.特に量子化器と併用するための振動制御系にも焦点を当て,構造的非線形特性に対するより簡便かつロバストな対処策を検討したが,これについては今後より詳細な検討が必要である.また,得られた成果に関する対外発表,具体的には学会参加や論文投稿にも注力した.研究期間全体を通じて,本研究ではモデリングに基づく最適動的量子化器の設計手法を検討し,その有効性についてパワートレイン振動モデルを用いて確認した.本研究は,パワートレインの振動制御入力の値が離散的になることによる影響に対して,先行研究で提案されている最適動的量子化器が有効であることを示した.得られた知見は,既存のパワートレインの制御系が抱える実装上の課題を解決できる可能性を示したという点で,極めて重要である.最適動的量子化器の設計制約に対しては,パワートレインのモデリングによる対策が有効である点を確認した.実車を想定したパワートレインのモデルに最適動的量子化器を導入した制御系を適用し,振動の改善効果を確認した.単純な静的量子化による結果と比較し,制御性能の点で提案手法の優位性を確認した.また,パワートレインの非線形特性を考慮した振動制御手法やサンプル値制御器の応用も検討したが,これらは基礎的な検討に留まっている.不十分な点や残留課題も考慮し,これらについては今後より詳細な検討が必要である.上記と関連し,基礎となる成果は学会等で発表されている.
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
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https://researchmap.jp/heisei620