本研究の特徴として,潤滑油の酸化によって生じた酸化物単体に着目し,それらを抽出しその潤滑特性を評価する手法を提案することにある.これまでのトライボロジー分野の研究は潤滑油の酸化によって潤滑油の物理・化学的特性が変化することを前提とし,それらと潤滑特性の関係を調べたものがほとんどである.本研究は潤滑油酸化物がどのような形態で存在し,どのようなメカニズムで潤滑特性に作用するのか等の解明に繋がると考えており,学術的にも意義深い.また,世界的なSDG’sの潮流の中,機械にはさらなる長寿命化が求められており,本研究は潤滑油の酸化が機械の寿命に与える影響の根本に迫ることから,社会的にも意義深い.
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