研究成果の概要 |
本研究は,木星以遠の外惑星探査に資する超高比推力マイクロ波放電式イオンエンジンの実現を目的とした.先行研究では,イオン加速電圧7.5 kVにおけるイオン引き出しの不安定性が課題だった.本研究では,マイクロ波が伝播する導波管の表面状態が動作不安定性に強く関連していることを明らかにし,推進機設計を微調整することで安定作動を実現した.その結果,推力25 mN, 比推力6,600秒を達成できた.また,一万時間級の長時間運転により,導波管上にグリッド由来のカーボンが堆積し波長短縮効果が現れるが,この効果を考慮した長期的視点での最適設計を実施することが耐久性向上に有効であることも明らかにした.
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