• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

β-及びκ-酸化ガリウム中の深い準位の定量と結晶成長における制御

研究課題

研究課題/領域番号 22K20428
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

鐘ヶ江 一孝  京都工芸繊維大学, 電気電子工学系, 助教 (30962435)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
キーワード酸化ガリウム / 半導体パワーデバイス / 欠陥準位 / 容量過渡分光法
研究実績の概要

酸化ガリウムのポテンシャルを最大限に引き出した電子デバイスを設計・作製するためには、デバイス特性に影響を与える酸化ガリウム中の深い準位に関する深い理解と制御が必須であり、深い準位の定量を精密に行うことは重要である。
深い準位の定量手法として本研究で用いる容量過渡分光法では、接合容量のごくわずかな過渡変化から深い準位の物性や密度を定量する。このため、精密な定量には、理想的なSchottky界面の形成が必須である。本研究ではまず、酸化ガリウムエピタキシャル成長層中の深い準位の定量に向けて、β-酸化ガリウムSchottky障壁ダイオードの試作検討を行った。
ハイドライド気相成長法により成長したβ-酸化ガリウムホモエピタキシャル成長層に有機及び無機洗浄を施し、ホモエピタキシャル成長層表面のパーティクル等を除去した。次に、表面にNi-Schottky電極を、裏面にオーミック電極を、抵抗加熱蒸着法によってそれぞれ形成した。試作したSchottky障壁ダイオードは、理想的な電流-電圧特性及び接合容量-電圧特性を示した。
Schottky障壁ダイオードの試作検討で得られたプロセスレシピ・知見を用いることで、本研究において、今後、β-酸化ガリウム中の深い準位の定量のためのデバイス作製が可能となった。
また、容量過渡分光法に用いる測定装置に関して、より精密な測定を可能にするために、測定装置の大幅改修の検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

理想的なSchottky界面を得るための試作デバイス検討において、酸化ガリウムの洗浄や電極形成に必要な設備・治具の整備に時間を要した。
また、容量過渡分光法に用いる測定装置の大幅な改修が必要となり、検討に時間を要した。

今後の研究の推進方策

深い準位の精密定量に向けて、容量過渡分光法に用いる装置の改修を行う。また、ミスト化学気相成長法による酸化ガリウム層の成膜を行い、Schottky障壁ダイオードを作製し、深い準位の定量を行う。成長手法や結晶多型の異なる酸化ガリウム中の深い準位を比較することで、酸化ガリウム中の深い準位に関して、本質的な理解を目指す。

次年度使用額が生じた理由

研究に必要な測定装置の稼働状況の把握及び改修案の検討に時間を要したため。次年度使用額が生じた。本助成金は、主に測定装置の改修のために使用することを予定している。

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi