本研究の学術的意義は、トレードオフを含むサニテーションの多面的価値の関係を数理的に明らかにした点にある。また、本研究の社会的意義は、水系感染症リスクを疾病負担コストして、地球温暖化リスクを温暖化コストとして表すことで、経済的合理性、ヒト健康、および環境の健全性を同軸で評価可能なモデルを構築した点にある。これまでサニテーションシステムは事業費を評価軸として計画されることが一般的であった。本研究の成果によって、ヒト健康の視点および環境負荷低減の視点をシステム持続可能性評価や最適化のための計画に組み込むことが可能になった。
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