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2022 年度 実施状況報告書

美術館の非公開エリアに関する研究-保存・研究の場の利用状況と空間特性を通して

研究課題

研究課題/領域番号 22K20467
研究機関日本大学

研究代表者

大川 碧望  日本大学, 理工学部, 助手 (50961546)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
キーワード美術館 / 非公開エリア / バックヤード / 収蔵庫
研究実績の概要

本研究では、美術館の最も長時間の利用者である学芸員を含む美術館職員に目を向け、収蔵庫や事務室などの非公開エリアの研究を行うことで美術館の建築計画の一助となることを目的としている。
調査協力の得られた美術館に実地調査とヒアリング調査を行った。文献やホームページにより美術館の平面図を作成し、実地調査とヒアリング調査により非公開エリアの室名の把握を行った。また、ヒアリング調査により、美術館職員のみが活動することができる範囲を把握した。学芸員、総務員、監視員、警備員の4つの系統で美術館職員をわけ、各職員が頻繁に利用する諸室について調査を行った。そして、実地調査を行い、各諸室の階高、室面積、仕上げ材の調査を行った。
上記より、各室の平面図を作成し、室名や仕上げ材などの条件をもとに、ヒアリング調査を行い、各所室の利用方法や問題点、秀逸点の抽出を行い、以下の結果を得られた。学芸員と総務員が同じ室を用いている場合もあれば、学芸員と総務員が別の室を利用している場合もあると言う結果が得られた。また、監視員の休憩スペースが計画されていない館では、休憩室が1つの室に確定されず、貸しギャラリーや会議室など各日異なる室を利用しているため、監視員への周知や、利用動線の確保が難しいという結果が得られた。また、収蔵品や展示品の保管場所不足、2次資料の保管場所がないことなどの問題点を抽出した。今後は、美術館で用いる収蔵品や備品などがどのように利用され、どのような場所に保管される必要があるのかを調査していく必要がある。引き続き実地調査とヒアリング調査を行いそれらの問題の解決方法を見出していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は、八戸市美術館へ予備調査としてヒアリング調査、実地調査を行い、保存・研究に伴う収蔵庫や事務室、学芸員室の利用方法や動線計画などに関する、問題点や秀逸点の抽出を行った。ヒアリング調査の際、収蔵庫などの非公開エリアの他館の情報を得ることが難しいこと、各館によって問題点や秀逸点が異なるため、定量的なデータとしてアンケート調査を行うことを助言され、アンケート調査を行うこととした。アンケート調査では、収蔵作品数、収蔵庫数、収蔵庫の階高、室面積、仕上げ材などの定量的なデータの収集を行った。アンケート調査と並行し、調査協力の得られた3館の美術館へヒアリング調査、実地調査を行った。各美術館の平面図を作成し、室名の調査を行った。成果として、非公開エリアと公開エリア、非公開エリアの室名を記載した平面図を作成した。

今後の研究の推進方策

今年度に行えなかった実地調査については次年度に行う。また、当初の計画の通り、八戸市美術館には計1ヶ月程度の長期調査を行うことで、実地調査を行いイベント時や通常時の動線、動線計画に関する評価を調査する。そして、2022年度に行ったアンケート調査で得られた、全国の市区町村立美術館の収蔵庫に関する温湿度や面積、仕上げなどの定量的なデータと、実地調査をもとに得られた、美術館職員の勤務動線や展示物や展示備品などの物の動線、ヒアリング調査をもとに得られた、動線計画や各室の評価を合わせて、分析を行うことで、結論を提示する。

次年度使用額が生じた理由

本年度は、八戸市美術館へ予備調査としてヒアリング調査、実地調査を行い、保存・研究に伴う収蔵庫や事務室、学芸員室の利用方法や動線計画などに関する、問題点や秀逸点の抽出を行った。ヒアリング調査の際、収蔵庫などの非公開エリアの他館の情報を得ることが難しいこと、各館によって問題点や秀逸点が異なるため、定量的なデータとしてアンケート調査を行うことを助言され、アンケート調査を行うこととした。そのため、非公開エリアの実地調査を行う回数が少なくなり、旅費に次年度使用額が生じることとなった。次年度の使用計画としては、本年度行う予定であった実地調査を行うこととする。

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公開日: 2023-12-25  

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