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2022 年度 実施状況報告書

迅速な高性能蛍光免疫センサー構築を指向した直交ペプチドペアの高効率スクリーニング

研究課題

研究課題/領域番号 22K20477
研究機関東京工業大学

研究代表者

安田 貴信  東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (90963249)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
キーワード抗体 / コイルドコイル / ペプチド / バイオセンサー
研究実績の概要

本研究の目的は、抗体ベースの高感度バイオセンサーQuenchbody(Q-body)の構築に適する直交ペプチドペアを高効率に選抜できる新規スクリーニング法を開発することである。既報のコイルドコイル形成ペプチドペアE4/K4を用いることで抗体断片を迅速にバイオセンサー化できることは実証済みだが、さらなる高感度化のためにE4/K4とは相互作用しないが親和性は高い別のペプチドペアが望まれた。そこで、このようなペプチドペアを獲得するためにファージと酵母を利用した新たなスクリーニング法を着想した。本年度は、研究計画に従いスクリーニング用にE4/K4に変異を導入することで逆平行結合が抑制される数種類のペプチドペアを設計・合成し、これを用いて作製したQ-bodyについて狙い通り逆平行結合が抑制されることを確認した。このK4変異体に関して、ペプチドと色素間のリンカーを幾つか検討することで従来よりも高い応答を示すQ-bodyが得られることも分かった。逆平行結合抑制ペプチドペアによる蛍光応答の向上は天然抗体を直接Q-body化可能なQ-probeに適用した場合に顕著で、従来4倍であった蛍光応答が13倍まで向上することが判明した。また、将来的に獲得したペプチドペアを使って構築する2色標識Q-body構築に向けて、比較用のモデルとしてH鎖とL鎖の両方に同じE4変異体が融合されたFab断片を用いてQ-bodyを構築できることも実証した。以上、今後のスクリーニング系構築に向けて鋳型として適切な結合方向が制御されたペプチドペアを創出することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度に実施予定の直交ペプチドペアスクリーニングに利用する逆平行抑制ペプチドペアの構築を上述の通り達成した。現在、K4を提示するファージとE4を提示する酵母を作製し実験モデルの実証に取り組んでいる。

今後の研究の推進方策

来年度以降も基本的には計画通りに研究を推進する。スクリーニングにより濃縮されてきたペプチドペアの直交性評価と配列の同定に関して、計画段階ではELISAによる評価を考えていたが、より効率がいい酵母ツーハイブリッド法と次世代シーケンシングを組み合わせた方法も検討する。

次年度使用額が生じた理由

消耗品のコストが高いライブラリーの構築からスクリーニング実験のための費用を残した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] The Patrol Yeast: A new biosensor armed with antibody-receptor chimera detecting a range of toxic substances associated with food poisoning2023

    • 著者名/発表者名
      Jiulong Su, Bo Zhu, Akihito Inoue, Hiroyuki Oyama, Izumi Morita, Jinhua Dong, Takanobu Yasuda, Yoshiko Sugita-Konishi, Tetsuya Kitaguchi, Norihiro Kobayashi, Shiro Miyake, Hiroshi Ueda
    • 雑誌名

      Biosensors and Bioelectronics

      巻: 219 ページ: 114793

    • DOI

      10.1016/j.bios.2022.114793

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 逆平行結合抑制ペプチドペアを用いたクエンチ抗体の構築と評価2022

    • 著者名/発表者名
      安田貴信、笹本佳那、北口哲也、上田宏
    • 学会等名
      第16回バイオ関連化学シンポジウム
  • [学会発表] コルチゾール認識ナノ抗体の蛍光免疫センサー化2022

    • 著者名/発表者名
      井上暁人、鈴木大凱、YANG Yinghui、安田貴信、朱博、北口哲也、上田宏
    • 学会等名
      第16回バイオ関連化学シンポジウム
  • [学会発表] 逆並行結合抑制型ペプチドペアによる抗体を蛍光免疫センサに変換するプローブタンパク質Coiled Q-probeの蛍光応答向上2022

    • 著者名/発表者名
      笹本佳那、安田貴信、北口哲也、上田宏
    • 学会等名
      第95回日本生化学会大会
  • [学会発表] 酵母提示系によるナノ抗体由来の蛍光免疫センサnano Q-bodyの分子進化法の開発2022

    • 著者名/発表者名
      井上暁人、安田貴信、北口哲也、村上明一、上田宏
    • 学会等名
      第95回日本生化学会大会
  • [学会発表] 酵母細胞表層提示系を用いたナノ抗体由来”nano Q-body”のTrp変異進化2022

    • 著者名/発表者名
      井上暁人、安田貴信、朱博、北口哲也、村上明一、上田宏
    • 学会等名
      化学工学会第88年会
  • [学会発表] 3分割ルシフェラーゼを用いた免疫測定法における相互作用の測定と数理モデルの作製2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤 里杏人、安田 貴信、朱 博、北口 哲也、加藤 直洋、上田 宏
    • 学会等名
      化学工学会第88年会

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公開日: 2023-12-25  

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