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2022 年度 実施状況報告書

心房細動患者に適用可能な超音波ドプラ法による新しい右房圧推定法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22K20497
研究機関北海道大学

研究代表者

村山 迪史  北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (10964497)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
キーワード超音波法 / 右房圧 / 上大静脈 / 超音波エラストグラフィ
研究実績の概要

右房圧の上昇は全身のうっ血による臓器障害を招来し、心不全患者の予後と関連するため、右房圧の評価は心不全の病態評価に不可欠である。右房圧の非侵襲的な評価法として、超音波法により計測した下大静脈の形態から推定する方法が普及しているが、下大静脈指標に基づく右房圧の推定精度は十分でないという指摘もある。米国心エコー図学会のガイドラインには、肝静脈の血流速度波形から右房圧推定を行う手法も提示されているが、この手法は、肝線維化の影響を受けて不正確になる可能性がある。最近、申請者は、超音波ドプラ法による上大静脈の血流速度波形が右房圧推定に有用であることを報告した。しかし、本法も有効な心房収縮を欠く心房細動患者には適用できないという限界がある。そこで、本研究では、心房細動患者を含む幅広い心疾患患者に適用可能な精度の高い非侵襲的右房圧推定法を確立する。
令和4年度において、科研費を用いて北海道大学病院の心エコー室の超音波診断装置にShear wave Elastographyキットおよびとコンベックスプローブ(右房圧の上昇に続発する肝臓のうっ血を定量化するためのアプリケーションと探触子)を導入した。現在、このアプリケーションを用いて、心臓カテーテル検査の2日以内に心エコー検査の予定が組まれた心房細動合併例を含む心疾患患者を対象として、①超音波ドプラ法による上大静脈血流速度波形の体位変換に伴う変化、ならびに②超音波エラストグラフィによる肝臓の硬さのデータ取得を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の研究計画として、令和4年度中に目標症例数100例の登録を予定していたが、北海道大学病院倫理委員会の承認を得るのに時間を要したこと、加えて、北海道大学病院の心エコー室の超音波診断装置にShear wave Elastographyキットおよびとコンベックスプローブを導入するまでに時間を要したために、症例登録開始が遅れてしまった。現時点で20例の症例登録を行っており、研究の進捗状況はやや遅れていると判断せざるを得ない状況である。

今後の研究の推進方策

必要に応じて症例登録期間を延長するなどの対策を講じ、目標症例数を充足できるように努める。今後、仰臥位時と座位時のそれぞれにおける上大静脈血流速度波形の変化と心臓カテーテル検査による右房圧実測値ならびに超音波エラストグラフィによる肝臓のうっ血の程度との関係の検討を進める予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 静脈血流速度波形分析に基づく右房圧推定に肝静脈と上大静脈のどちらが優れるか2023

    • 著者名/発表者名
      村山迪史,加賀早苗,境田ひな,小野田愛梨,中鉢雅大,西野久雄,横山しのぶ,石坂 傑,岩野弘幸,安斉俊久
    • 学会等名
      日本超音波医学会第96回学術集会
  • [学会発表] 心不全患者における複数の超音波指標を組み合わせたうっ血肝診断モデルの確立2023

    • 著者名/発表者名
      小野田愛梨,村山迪史,加賀早苗,中鉢雅大,横山しのぶ,西野久雄,石坂 傑,本居 昴,青柳裕之,玉置陽生,中村公亮,岩野弘幸,安斉俊久
    • 学会等名
      第87回日本循環器学会学術集会
  • [学会発表] 静脈血流速度波形を用いた右房圧上昇の検出:肝静脈血流か上大静脈血流か?2022

    • 著者名/発表者名
      境田ひな,村山迪史,加賀早苗,小野田愛梨,中鉢雅大,西野久雄,横山しのぶ,石坂傑,岩野弘幸,安斉俊久
    • 学会等名
      日本超音波医学会第52回北海道地方会学術集会
  • [学会発表] 超音波法によるうっ血肝診断モデルの確立2022

    • 著者名/発表者名
      小森 葵,小野田愛梨,村山迪史,加賀早苗,工藤悠輔,岩井孝仁,中鉢雅大,岩野弘幸,西田 睦,安斉俊久,豊嶋崇徳
    • 学会等名
      日本臨床検査医学会北海道支部総会

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公開日: 2023-12-25  

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