現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
使用しているメニコン社製の培養細胞伸展システムShellPaに実験期間の途中に不具合が発生したため実験を実施できない期間があったことが、最も大きな原因である。また、デフォルトの設定条件を決定するまで長期の試行錯誤を要してしまったことも一因であった。一方で、RNA抽出などの手技は問題なく実行できているので、一旦症例数が進めば、データの蓄積は堅実に行えると考えている。 しかしながら、1例だけではあるが、3次元コラーゲンゲル培養環境における口腔線維芽細胞の遺伝子発現パターンは、24時間の1) 無刺激(静止状態)、2) 持続刺激、3) 間歇刺激の3種類において、検索した2万以上の遺伝子においては、発現がほとんどない遺伝子が多い上、群間でも大きな違いは認めなかった。特に2)と3)の差は1)vs2)、1)vs3)より小さかった。また、有意に発現レベルが低下する遺伝子数は、1)vs2)3)において上昇する遺伝子より少なかった。一方、逆に顕著に認められたのは、1)vs2)3)において1)<2)<3)の順に有意に発現が認められた遺伝子として、数としては少ないが、PTGS2, SLC5A3, AKR1B1, MMP7, SGK1, DKK1、GK, ERFGであった。これらの遺伝子機能について詳細に検討を加え、人工真皮として利用する場合における創傷治癒への影響や人工真皮としての有意な効果があるのか、利点の有無を考察していく。
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