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2022 年度 実施状況報告書

VRゴーグル装用が涙液層の安定性に与える影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K20513
研究機関早稲田大学

研究代表者

岡崎 善朗  早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授(テニュアトラック) (20962369)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
キーワードVRゴーグル / 涙液層
研究実績の概要

本研究は、VR(Virtual Reality)ゴーグルの装用が涙液層の安定性に与える影響を明らかにし、VRゴーグルを安全に使用するための指針を見出すことを目的としている。ドライアイは涙液層の安定性が低下する疾患であり、Visual Display Terminalを長時間使用することが発症要因の一つとされている。一方、近年利用が拡大しているVRゴーグルを装用することにより瞬目回数が低下する事は知られているが、涙液層への影響について調べた研究は少ない。そこで、VRゴーグル使用中の涙液層の状態を調べることで、ゴーグルの装用が目の健康に与える影響を明らかにすることを目指している。
本年度は、VRゴーグル装用中の涙液を測定できる初期プロトタイプを開発した。開発を進めるにあたり、撮像系及び照明系の設計、部材購入、組み立て、光学調整を実施した。具体的には、Meta社製 Oculus Quest 2のHMD(Head Mount Display)内側に、視野角158度、焦点距離20mm、解像度1080p、フーレムレート30fpsの超小型カメラ、白色LED光源、光拡散板、小型温度センサーを組み込んだ。この初期プロトタイプを用いて、被験者1名に対して予備的な検討を行った結果、HMD装用中の涙液層の伸展挙動、涙液油層の干渉色、涙液メニスカス高などの涙液評価指標をリアルタイムに観察できることを確認した。また、瞬目回数、および角膜表面温度をその場計測することが可能であった。今後は、より安定した測定を可能とする改良プロトタイプを試作した上で、複数の被験者に対して測定を行い、涙液層の安定性に関するデータの抽出・解析を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、涙液計測システム開発に関して計画を修正する必要があった(詳細は「次年度使用額が生じた理由と使用計画」欄に記載)ものの、次年度に実施する被験者での測定実験に必要な準備は計画通り整える事が出来たため、おおむね順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

前述の通り、次年度では改良プロトタイプを完成させ、倫理審査委員会による承認を受けた上で、複数の被験者による涙液測定実験を行う。その後、測定データの解析を通して、本研究の目的であるVRゴーグルの使用が涙液層の安定性に与える影響について検討する。同時に、VRゴーグルの安全設計及び安全使用の指針に関しても考察を進める。

次年度使用額が生じた理由

当初の研究計画では、2022年度中に涙液測定システムの開発が完了する予定であった。しかし、世界的な半導体供給不足等の影響により、2022年度内に入手予定であった消耗品の一部の納品が次年度にずれ込んだ。このため、涙液測定システムに用いる消耗品費を次年度使用額として2023年度へ繰り越した。研究内容については大幅な変更がないため、2023年度には未使用の繰越額を含めた全額を当初の計画通りに使用する。

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公開日: 2023-12-25  

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