本研究によって、エラスチン由来短鎖型ペプチドが生理的条件下で強い自己集合能を示すとともに、幅広い分子量のモデル薬物をペプチド内部に包含できることが明らかとなった。さらにこのペプチドが口腔粘膜を透過できることが示唆された。口腔粘膜は吸収性に優れており、薬効の即効性が期待されるだけでなく、胃腸管や肝臓での分解を回避できる経路である。また注射のような痛みもなく、嚥下困難な状況でも安全に投与することが期待できる。本研究により、中分子医薬品をはじめ経皮吸収が困難な美容成分などの幅広い化合物を、口腔粘膜を経由して投与するためのDDS担体としてこの短鎖ペプチドの利用が期待される。
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