研究課題/領域番号 |
22K20539
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
木山 正啓 宮崎大学, キャリアマネジメント推進機構, 研究員 (10968514)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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キーワード | 生物発光 / 発光プローブ / 近赤外 / ホタル |
研究実績の概要 |
本研究では、人工生物発光システムAkaBLIを基盤に特定の生理機能を動物個体深部においても非侵襲的に可視化できるターンオン型の機能プローブの技術の開発を行う。具体的には、近赤外に発光を示すAkaLumineあるいはAkaLumineアナログに化学修飾を施し発光活性をマスクし、特定生体分子(例:プロテアーゼ)により修飾が取り除かれることで、AkaLumineあるいはアナログが遊離し、発光活性を回復する機能性プローブである。概念実証のため、SARS-CoV-2メインプロテアーゼ(Mpro)の標的ペプチドを発光基質に修飾し、Mproの存在の有無によって発光がOff→Onするかを、in vitro、細胞、マウスを用いて評価する。 今年度は、まずAkaLumineアナログを用いたプローブの合成を目指した。当該アナログの合成は達成できたものの、in vitro発光活性がAkaLumineのそれに対し1/100程度低いことが判明した。当該アナログを用いたプローブでは輝度が十分得られないため、プローブの合成を断念した。一方、AkaLumine骨格に自己犠牲リンカーを介してMpro認識ペプチドを修飾したプローブの合成は達成できた。プローブは発光活性がAkaLumineより十分低いことが求められるが、当該AkaLumine プローブはin vitroにおいてAkaLumieの1/100程度発光活性が低いことが確認された。 現在Mpro-Akaluc共発現細胞を作製中であり、作製し次第プローブとMproとの反応速度評価およびプローブおよびMpro濃度依存的な発光活性について測定する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
AkaLumineアナログを用いたプローブはアナログの発光活性が低いため断念したが、AkaLumineを用いたプローブについては合成予定のペプチド3種類中1種類合成できている。ペプチドは合成完了しているため合成したプローブと同様に、残りのプローブを合成する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、他のペプチドを修飾したプローブの合成を引き続き行い、それらを合わせてMpro-Akaluc共発現細胞による発光活性評価を行う。その後、Akaluc全身発現マウスの特定臓器にハイドロダイナミックインジェクションあるいはアデノ随伴ウイルスの局所投与によりMproを発現させ、Mpro発現部位において強く発光が観察されるかどうかを確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度で実施しなかった細胞培養用を次年度に実施するため。
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