• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

可逆的な結合を利用した新規不斉テンプレート重合法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K20540
研究機関東京都立大学

研究代表者

下山 大輔  東京都立大学, 理学研究科, 助教 (00965866)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
キーワード精密重合 / チタン錯体触媒 / ホウ素 / 超分子化学 / らせん
研究実績の概要

互いを鏡に映した関係にある鏡像異性体を有する分子を不斉分子と呼ぶ。不斉分子は右手と左手それぞれ生体内で全く異なる作用を示す。従って,不斉分子を高効率・高立体選択的に合成することは医薬品や機能材料の開発において求められる。生体高分子は片手の鏡像異性体のみを高立体選択的に与える。一方,人工的に不斉分子を高い純度で得る方法として,光学活性な触媒を用いた不斉合成法が開発された。低分子触媒に比べて,高分子触媒は基質に対して極めて大きな立体障壁として働くため,効果的な不斉認識能力を有し,高立体選択的な不斉合成を可能とする。従って,不斉高分子は高効率な次世代の触媒システムになり得る。そのため,不斉高分子の高効率・高立体選択的合成の開発は,不斉高分子触媒の実用化という観点からも急務である。そこで申請者は,高分子不斉触媒の実用化への更なる一歩として,高分子不斉触媒から,不斉増幅効果を介して更なる不斉高分子を生成する不斉テンプレート重合法の開発を目指す。特に,本研究の基盤となる含ホウ素ポリマーの合成に取り組んだ。2022年9月より,当研究室独自のハーフメタロセン型のチタン錯体を用いた精密合成法に焦点を絞ってその合成ルートを開拓した。この合成は核磁気共鳴スペクトル, ゲル浸透クロマトグラフィー測定によって確かめることができた。現在,高立体選択性を利用したらせん性の発現を検討している。得られたポリマーにモノマーユニットを導入し,さらに重合することで本研究課題のテンプレート重合できると考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り,現在,基盤となる含ホウ素ポリマーの合成に既に成功しており,らせん性を発現するような高立体選択性をもつことが明らかになった。したがって,計画通り次年度はテンプレート重合について検討できる準備が整っている。

今後の研究の推進方策

得られたポリマーのらせん性の発現を目指し,さらにテンプレート重合を検討する。
具体的には,可逆的結合を利用してモノマーの導入,テンプレート重合の条件検討を細かく調べる。また不斉転写についても確認する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Synthesis of Ethylene/Isoprene Copolymers Containing Cyclopentane/Cyclohexane Units as Unique Elastomers by Half-Titanocene Catalysts2023

    • 著者名/発表者名
      Guo Lijuan、Makino Ryoji、Shimoyama Daisuke、Kadota Joji、Hirano Hiroshi、Nomura Kotohiro
    • 雑誌名

      Macromolecules

      巻: 56 ページ: 899~914

    • DOI

      10.1021/acs.macromol.2c02399

    • 査読あり
  • [学会発表] ポリフルオレンビニレンを側鎖に有する櫛型ポリマーの精密合成2023

    • 著者名/発表者名
      千野浩輝,下山大輔,野村琴広
    • 学会等名
      第69回高分子研究発表会(神戸)
  • [学会発表] ハーフチタノセン触媒を用いたシリルスチレンのシンジオ特異的重合2023

    • 著者名/発表者名
      Jiang Youshu,下山大輔,野村琴広
    • 学会等名
      第69回高分子研究発表会(神戸)

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi