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2022 年度 実績報告書

クモ糸の機能向上に関わる天然添加剤の探索と機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K20542
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

渡部 康羽  慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 研究員 (60965630)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2023-03-31
キーワードクモ / スピドロイン / マルチオミクス解析 / 分子シミュレーション / バイオポリマー
研究実績の概要

クモの中でも円網を造網する円網種は7種類の糸を使い分けることが知られている。その中でもクモがぶら下がる際に使用する牽引糸は鋼鉄に匹敵する強度とナイロンに匹敵する伸縮性を兼ね備えた天然最強素材であることが知られている。また、クモの糸はタンパク質で構成されているため、再生・生分解可能な素材であり、環境問題の解決にも注目されている。牽引糸の主成分は長らく2種類のスピドロインで構成されていると考えられていたが、近年では新たなパラログやわ ずか1wt%添加するだけで強度を2倍向上させる天然添加剤 (spider silk-constituting element, SpiCE)が発見されている。
本研究では(1) SpiCEの探索、(2) 人工シルクフィルムによる力学特性の検証、(3) シミュレーション解析によるスピドロインとSpiCEの組み合わせのスクリーニングを予定している。令和4年度は研究費交付時点でコガネクモ上科の4種をサンプリングの時期が過ぎていたことから、当初の計画通り3つの項目に関する予備実験を進めた。(1) SpiCEの探索にはマルチオミクス解析技術を習得する必要があるため、同じクモガタ綱で糸関連遺伝子が解析されていないイソカニムシを用いて一連の流れを学んだ。(2) 人工シルクフィルム実験で用いられているスピドロイン (MaSp2)を用いた引張試験の再現実験に成功し、SpiCEの抽出、精製を進めた。(3) シミュレーション解析ではMaterials studioを用いてSpiCEを保有するジョロウグモの牽引糸のモデルの作成に成功し、引張試験による力学特性の検証を行った。今後は実際にコガネクモ上科の4種をサンプリングして研究を進める予定であったが、研究代表者が令和4年度より日本学術振興会の特別研究員(PD)へ採用となったため、本年度での事業廃止申請を行った。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Molecular mechanisms of the high performance of spider silks revealed through multi-omics analysis2023

    • 著者名/発表者名
      Watanabe Yasuha、Arakawa Kazuharu
    • 雑誌名

      Biophysics and Physicobiology

      巻: 20 ページ: -

    • DOI

      10.2142/biophysico.bppb-v20.0014

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] イソカニムシ糸の分子組成解析2022

    • 著者名/発表者名
      渡部康羽・中村浩之・荒川和晴
    • 学会等名
      日本蜘蛛学会第54回(2022年)大会
  • [学会発表] Molecular composition of Garypus japonicus Beier of silk proteins by multi-omics analysis2022

    • 著者名/発表者名
      渡部康羽・中村浩之・荒川和晴
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] オミクス解析によるイソカニムシ糸の分子組成解析2022

    • 著者名/発表者名
      渡部康羽・中村浩之・荒川和晴
    • 学会等名
      第67回日本応用動物昆虫学会大会

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公開日: 2024-12-25  

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