研究課題
研究活動スタート支援
第4級アンモニウム塩は界面活性剤をはじめとする様々な有用物質に含まれている重要な構造である。しかし、その合成法は古くから用いられている求核置換反応に依存しているのが現状であり、未だに合成困難な構造が多く存在している。この課題を解決するために、本研究ではアンモニウム塩の構造修飾という新たなアプローチの確立を目指した。その結果、これまでに合成法が存在しなかった置換基が導入されたアルケニルアンモニウム塩の合成法を確立することができた。
有機合成化学
本研究の学術的意義は、アンモニウム塩の構造修飾という新たな合成アプローチを実証したことにある。このアプローチにより、これまでは合成困難で世の中に存在しなかった第4級アンモニウム塩を多数合成することができるようになった。また、アンモニウム塩は身の回りの多くの有用物質に含まれる構造であるため、本研究で実証した概念は医農薬品や材料科学などの分野にも新たな選択肢を与えるものである。