• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

新規ハイエントロピー硫化物ナノ粒子の創製

研究課題

研究課題/領域番号 22K20557
研究機関京都大学

研究代表者

向吉 恵  京都大学, 理学研究科, 助教 (80965137)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2025-03-31
キーワードナノ粒子 / ハイエントロピー / 多元素 / 金属硫化物 / ナノシート
研究実績の概要

本研究では、ハイエントロピー硫化物ナノ粒子の合成指針を確立し、革新的ナノ材料を創製すること、および多元素化が硫化物ナノ粒子の物性に与える影響を触媒特性中心として調べることを目的とする。硫化物ナノ粒子は、多様な構造を持ち複数の反応サイトを有することから革新的な触媒材料として注目を集めている。金属ナノ粒子に見られるように、硫化物ナノ粒子においても多元素化による新規物性の発現が期待できるが、合成難易度の高さからこれまでほとんど報告例がなく、その物性については知見が乏しい。本申請研究により創出される革新的なナノ材料によって、触媒・材料開発の自由度が広がり、更なるナノ材料科学の飛躍・展開が期待される。
2023年度は、2022年度の結果を踏まえ多元素金属硫化物ナノ粒子の合成法改良と詳細な構造解析を行った。ホットインジェクション法を用い、Co,Ni,Nb,Mo,Wからなる多元素金属硫化物ナノ粒子の合成を行った。XRFとSTEM-EDX解析の結果、得られたサンプルは狙い通りCo,Ni,Nb,Mo,W元素が一様に固溶した多元素金属硫化物を形成していることを確認した。またXRDとHAADF-STEM観察による構造解析の結果、得られたサンプルが2H-MoS2層状構造を有し、厚み1,2層程度のナノシートを形成していることが分かった。これらの結果を踏まえ、2024年度は触媒評価を中心とした物性評価を実施予定。また得られた新規物について各元素の詳細な電子状態の測定や、さらなる多元素化についても検討予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請者は2022年11月から2023年6月の間産前産後および育児休暇を取得しており、一時研究を中断することになった。
2023年7月から研究再開により、復帰後の合成検討により新規多元素硫化物ナノ粒子の合成に成功した。さらに合成したサンプルがナノシートを形成していることも見出しており、おおむね計画通りに研究は進んでいる。
補助事業期間延長申請は申請済であり、得られた新規物の物性評価は延長した研究期間中に実施予定である。

今後の研究の推進方策

得られた新規物について、触媒評価を中心とした物性評価を実施予定。また物性と構造・電子状態との相関について情報を得るため各元素の詳細な電子状態の測定や、オペランド測定についても検討を行う。さらなる多元素化についても検討予定である。

次年度使用額が生じた理由

産前産後休暇・育休取得により計画に遅れが生じたため。
当初の予定では、2022年度は新物質開発、2023年度は合成した新規物の物性評価を中心に行う予定であった。2022年度途中から研究中断となったため、2023年度は2022年度前半に引き続き合成検討を行った。2024年度は触媒評価を中心とした物性評価を実施予定のため、合成に必要な消耗品と研究結果発表のための旅費を使用予定。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] B2-structured indium?platinum group metal high-entropy intermetallic nanoparticles2023

    • 著者名/発表者名
      Nakamura Masashi、Wu Dongshuang、Mukoyoshi Megumi、Kusada Kohei、Toriyama Takaaki、Yamamoto Tomokazu、Matsumura Syo、Murakami Yasukazu、Kawaguchi Shogo、Kubota Yoshiki、Kitagawa Hiroshi
    • 雑誌名

      Chemical Communications

      巻: 59 ページ: 9485~9488

    • DOI

      10.1039/D3CC02266H

  • [雑誌論文] RuIn Solid-Solution Alloy Nanoparticles with Enhanced Hydrogen Evolution Reaction Activity2023

    • 著者名/発表者名
      Zhou Xin、Mukoyoshi Megumi、Kusada Kohei、Yamamoto Tomokazu、Toriyama Takaaki、Murakami Yasukazu、Ina Toshiaki、Kawaguchi Shogo、Kubota Yoshiki、Kitagawa Hiroshi
    • 雑誌名

      ACS Materials Letters

      巻: 6 ページ: 353~359

    • DOI

      10.1021/ACSMATERIALSLETT.3C01218

  • [学会発表] Synthesis of Multi-Element Metal Sulfide Nanosheets2024

    • 著者名/発表者名
      Megumi Mukoyoshi, Hiroshi Kitagawa
    • 学会等名
      日本化学会 第104春季年会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi