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2023 年度 実施状況報告書

ショウジョウバエの植食性適応に伴う嗅覚受容体の分子進化

研究課題

研究課題/領域番号 22K20565
研究機関東京大学

研究代表者

松永 光幸  東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (80966424)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2025-03-31
キーワード嗅覚 / ショウジョウバエ / 感覚子 / 電気生理
研究実績の概要

動物の種の多様性は運動の多様性によって加速してきた。特に、正確な感覚入力が運動出力の質を左右するため、嗅覚は生存に不可欠な感覚の一つである。これは、危険の警告、食料の発見、配偶者の探索に役立つためである。特に植食性昆虫は、宿主植物の特定の匂いを識別する能力が求められ、このため嗅覚受容体の進化速度は速い。
本研究では、キイロショウジョウバエ、コフキヒメショウジョウバエ、及びキイロヒメショウジョウバエ(以下、ヒメと称する)をモデル生物として選定した。これまでの申請者自身の電気生理学的手法による研究で、嗅覚受容体Odorant receptor 42a (Or42a)がヒメの主要宿主であるアブラナ科植物から放出されるマスタードオイルに強く反応することを明らかにしていた。
これまでに、ヒメのトランスクリプトーム解析を通じて、Or42aが嗅覚器官で高い発現を示していることを確認した。さらに、AlphaFoldを使用してOr42aの三次元構造を予測し、機能進化に関与する可能性のあるアミノ酸を同定した。これらのアミノ酸をキメラOr42aに置換して機能解析を行った結果、わずか2つのアミノ酸の置換が大きな機能変化をもたらしたことを発見した。
この研究成果をシカゴで開催されたGSA学会と沖縄で開催された進化学会で発表した。また、スタンフォード大学のKim博士との共同研究により、成果の一部をbioRxivに投稿し、共著者としての貢献も果たした。
以上の結果を現在は論文にまとめており、数か月後に投稿予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験計画はすべて終わらせたため。

今後の研究の推進方策

論文を執筆し、提出する。

次年度使用額が生じた理由

前年では論文を提出することはできずに掲載費用を含めることはできなかった。現在論文を執筆中であり、本年度中に投稿予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] UC Berkeley/Stanford/UC Davis(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      UC Berkeley/Stanford/UC Davis
  • [雑誌論文] Single-fly assemblies fill major phylogenomic gaps across the Drosophilidae Tree of Life2023

    • 著者名/発表者名
      Kim B.,,, Matsunaga T.,,, and Petrov D.A.
    • 雑誌名

      bioRxiv

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1101/2023.10.02.560517

    • オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Olfactory avoidance of toxic volatile electrophiles is mediated by a broadly tuned olfactory receptor in Drosophila2023

    • 著者名/発表者名
      Matsunaga T.
    • 学会等名
      GSA meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] Olfactory avoidance of toxic volatile electrophiles is mediated by a broadly tuned olfactory receptor in Drosophila2023

    • 著者名/発表者名
      Matsunaga T.
    • 学会等名
      進化学会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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