ヒト毛髪には人体他部位と同様に一定量の細菌が常在し、個人で固有の菌叢が形成されることが明らかになりつつある。これまでの研究にて毛髪細菌叢に影響する要因についても明らかとなってきた一方で、頭皮・毛髪と毛髪細菌との相互作用については未だ明らかとなっていない。本研究ではまず、採取部位間での細菌叢の分布の違いを調べるため、頭頂部をはじめとした5つの部位から毛髪を採取し細菌DNA抽出後、16S アンプリコン解析にて菌叢の違いを比較した。その結果、被験者間では細菌叢が有意に異なる一方で、採取部位間では有意差がなく、同一被験者において毛髪細菌叢は部位の違いによらず一定であることが示された。
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