研究課題/領域番号 |
22K20574
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
高山 喜晴 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 主席研究員 (00343989)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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キーワード | ラクトフェリン / 血管内皮増殖因子 / 血管新生 |
研究実績の概要 |
血管内皮増殖因子-A(VEGF-A)によって誘導されるヒト臍帯静脈内皮細胞 (HUVEC)の管腔構造形成に対するウシラクトフェリン、およびそのNローブ断片とCローブ断片の阻害効果について再検討を行った。管腔形成の程度を評価するパラメーターとして、これまでは顕微鏡視野あたりの管腔総延長・分岐数・管腔本数を用いてきたが、今回、新たに管腔面積を評価項目に加えた。HUVECはコラーゲンゲル中に包埋し、VEGFまたはラクトフェリンの存在下で10日間培養し、管腔形成を誘導した。管腔構造はCD31抗体による免疫染色で可視化した。VEGF-Aの添加により管腔構造の形成が誘導され、管腔総延長・分岐数・管腔本数と同様に管腔面積の増加が認められた。VEGF-Aに加えてラクトフェリン(全長)またはそのCローブ断片を添加した群においては、上記の4パラメーターのすべてにおいてVEGF-Aの効果が有意に減弱することが確認された。一方、VEGF-Aに加えてNローブ断片を添加した群では4パラメータともコントール(VEGF-Aのみ添加)と有意差が認められなかった。一方、VEGF-Aの非存在下では、ラクトフェリン全長およびCローブ断片の管腔構造形成に対する効果は認められなかった。これらの結果から、ウシラクトフェリンの血管新生阻害作用は主にCローブ断片が担っていることが示唆された。またVEGF-Aが存在していない場合は、ラクトフェリンの管腔形成阻害効果は認められなかったことから、ウシラクトフェリン(およびそのCローブ)は、血管内皮細胞においてVEGF-A下流のシグナル伝達経路を阻害することで血管新生を阻害している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初予定していた、ケモカインSDF-1α(間質細胞由来因子-1α)によって誘導されるHUVECの血管新生に対するラクトフェリンの効果を検証できていないので、「遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
SDF-1αによって誘導される血管新生に対するラクトフェリンの効果を検証する。また、血管内皮細胞に対するVEGF-Aの増殖促進効果がラクトフェリンおよびそのC-ローブ断片でどのように影響を受けるか検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究室のセットアップに当初予定よりも時間を要し、研究の進行が遅れているため試薬等の購入経費を次年度に繰り越した。
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