研究課題
農研機構で収集されたカンキツ品種群の果実横断面の画像から抽出された果実形態の情報を用いてゲノミック予測(GP)とゲノムワイド関連解析(GWAS)を行い、果実形態に対するゲノム育種の可能性を評価した。12月時点の画像から抽出された果実形態の情報を解析に用いた場合、果実面積、果実半径、果肉色、フラベド色、アルベドの厚さ、アルベド面積については高いGP精度を示し、これらの果実形態は高い精度でゲノミック選抜(GS)を行える可能性を示した。育種家によって達観的に評価された種子の多少(階級値)と画像解析によって定量的に評価された種子数(連続値)についてGP精度を比較したところ、両者は同等の予測精度を示した。GWASでは、果実面積、果実半径、種子数、フラベド色、果肉面積とそれぞれ有意な関連を示す一塩基多型を検出することができた。これらは従来のマーカー利用選抜(MAS)用のマーカーとしても利用できる可能性がある。育種家によって達観的に評価された種子の多少(階級値)と画像解析によって定量的に評価された種子数(連続値)のGWASを比較したところ、後者のみで有意な関連領域が検出された。また、複数の時点でカンキツのさまざまな器官(フラベド、アルベド、果肉など)のサンプリングを行った。複数のRNA抽出方法を比較し、カンキツ各器官のRNAを効率良く抽出する方法を見出すことができた。この方法により抽出したRNAを用いてRNA-seqを実施した。
2: おおむね順調に進展している
12月時点の画像から抽出された果実形態に対するゲノム育種の可能性を評価することができた。また、カンキツのさまざまな器官のRNAを抽出し、RNA-seqを実施した。
複数時点の画像から抽出された果実形態の情報を統合的に用いてGPやGWASを行い、ゲノム育種の可能性評価を行う。また、複数時点でサンプリングされたカンキツ各器官のRNA-seqデータを用いた解析を継続する。
RNA-seqは多数のRNAサンプルをまとめて外注した場合に価格が安くなるので、今年度発注予定分を来年度にまとめて発注することにしたため。
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JATAFFジャーナル
巻: 10 ページ: 6-11