組換えタンパク質を効率生産可能なカイコ-バキュロウイルス発現系では、難発現性タンパク質が存在することが分かっており、この問題を解決する変異体作製と優良変異体選抜が可能な昆虫独自の指向性進化ツールが必要である。本研究では、バキュロウイルスゲノム上の特定領域への変異導入ツール開発と優良変異体を選抜するために必要なウイルス増殖性に影響するバキュロウイルス遺伝子同定を試みた。変異導入用酵素はバキュロウイルスによって昆虫培養細胞で発現は確認できたが、ターゲットの塩基配列に変異は確認されなかった。ウイルス増殖性に影響する遺伝子の同定では、8遺伝子の候補を調べて増殖性を操作可能な遺伝子を複数特定できた。
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