研究実績の概要 |
2種の水田土壌を湛水条件下で静置培養、あるいは好気的に振盪培養し、3日目の核酸を抽出した。RNA、DNAはそれぞれメタトランスクリプトーム解析に供した。シーケンス量は21.54 ~ 27.41 Gbだった。また、得られたリード数はメタトランスクリプトーム解析でおよそ1億4千万 から1億8千万リードだった。 これらの生リードをSolexaQAによって前処理し、ターゲットとするヒ素代謝遺伝子(arxA, aioA, arrA, ttrA)をアセンブルするためにMegaGTA (Li et al, 2017) を使用した。対象とする遺伝子のうちarxA、aioA、arrAはDunivin et al. 2019で構築されたデータベースを用い、ttrAに関してはカスタムデータベースを用いた。 その結果、静置培養した処理区ではいずれの土壌もarrAではなく、ttrAのコンティグがアセンブルされた。またこれらのコンティグは好気的に震盪培養した処理区からは全く検出されなかったことから、2種の土壌に於いてはこれまで広く研究されている異化的ヒ酸還元酵素遺伝子arrAではなく、新規にヒ酸還元酵素遺伝子として発見されたttrAが土壌溶液中ヒ素溶出に関与している可能性が示唆された。
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