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2023 年度 研究成果報告書

集団ゲノミクスで解き明かす、東アジアのトキソプラズマの移動の歴史

研究課題

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研究課題/領域番号 22K20614
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0605:獣医学、畜産学およびその関連分野
研究機関大阪大学

研究代表者

猪原 史成  大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (00800773)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
キーワードトキソプラズマ / 集団ゲノミクス / 病原体の進化
研究成果の概要

これまで日本のトキソプラズマに関する詳細なゲノム研究は行われておらず、日本にいるトキソプラズマの危険性や起源についてはよく分かっていませんでした。日本および中国由来の計17株のトキソプラズマの全ゲノムを解析した結果、日本のトキソプラズマ集団は、ユーラシア大陸および南北アメリカ大陸の系統との間で独自の遺伝的混血が進んでいることが判明しました。特に注目すべきは、沖縄で確認された新型超強毒株が、中南米系統と同じルーツを持つ弱毒型株と、本土由来とみられる弱毒型株との交雑によって生じ、その病原性が著しく強くなっていることが示唆される点です。

自由記述の分野

寄生虫学

研究成果の学術的意義や社会的意義

全ゲノムシークエンスが一般的な現在も、トキソプラズマの分子疫学調査の多くはわずかな数のマーカー遺伝子から得られる一塩基多型(SNP)の情報に依存している。性的組換えによってゲノムがダイナミックに変化するトキソプラズマにおいて、不十分な数のマーカーに基づく分類法は多様性を過小評価し、遺伝子型の誤判定を引き起こす。本研究は、東アジアのトキソプラズマを対象とした世界初の集団ゲノミクス研究であり、極東アジア株のゲノム構造を明らかとした。さらに、南北アメリカ大陸のトキソプラズマと共通した新規の祖先系統を特定し、東アジアのトキソプラズマの進化史の解明に寄与する知見が提供された。

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公開日: 2025-01-30  

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